世界最高峰のパリ・オペラ座バレエ団ダンサーの来日公演が26日、東京文化会館で開幕し、3月に日本人として初めて同団の最高位エトワールに昇進したオニール八菜(30)が登場する。「苦労したからこそ、堂々としていられる。自分らしい踊りを見せたい」
ニュージーランド人の父と日本人の母の間に生まれ、東京でバレエを始めた。オーストラリアの学校で学び、2011年から憧れのオペラ座で踊り、昇格を重ね、16年にはエトワール目前の階級に。だが、そこからが長く、思うような役を任されない葛藤もあった。
新型コロナウイルス禍で公演が中止になった時、バレエとじっくり向き合い、考え方から立ち姿まで全てを見直したことが転機に。「私はこうやる」と理想を貫けるようになり、ぶれなくなった。「迷いがない人には目がいくじゃないですか」と凜とした笑顔で語る。
コーチと2人でイメージをクリアにしていくスタジオの時間がどんどん好きになっていくというオニール。そうした練習があるからこそ、本番では「自由に踊って楽しむ幸せがある」。
「大人になってエトワールになったから変なプレッシャーはない。自分らしく毎日頑張ればいいかなって思っています...