韓国のクライムアクション映画「犯罪都市3」が5月末の封切りから1カ月ほどで、国内の観客動員1千万人を達成した。大台突破は昨年に公開された前作の「犯罪都市2(邦題・犯罪都市 THE ROUNDUP)」以来となる。拳一つで悪をなぎ倒す最強刑事と冷酷非情な犯罪組織の死闘を描く同シリーズの人気ぶりがうかがえる。
ただ、韓国の映画業界自体は新型コロナウイルス禍後、客足が戻らず低迷が続いている。映画館運営で国内最大手のCJ CGVは赤字経営の深刻化で資金繰りに窮し、増資を決定。増資を発表した翌日には株価が30%下落し、株式市場で「劣等生」銘柄の代表格となった。
映画館を訪れる人が減っている背景には、動画配信サービスの普及がある。新作映画でも少し待てば、テレビやスマートフォンで気軽に見ることができるため、若者などがわざわざ劇場に足を運ばなくなっているのだ。テレビの大型化が進んでおり、自宅で鑑賞しても高い満足感が得られることも背景にある。
それでも、人気シリーズの最新作の魅力を存分に味わいたいと、首都ソウル中心部の映画館を訪れた。大スクリーンの迫力ある映像や重厚な音響は、やはり劇場ならでは。映画本来...