活字を目で追うことをおっくうに感じる瞬間が多くなった。認めたくないが、老眼の度合いがきつくなったのだろう。とはいえ職業柄、そうは言ってもいられない◆その影響か、近ごろ頭の回転が格段に落ちた。判断が鈍いと自覚する瞬間が多くなった。読書と頭の回転の関係については諸説あるが、インプットとアウトプットを繰り返す訓練にはなっているのだろう◆若者の読書離れが叫ばれる。昔、大学進学に当たり恩師から「他に何をするにしても、とにかく本だけは千冊読みなさい」と言葉をもらった。高校卒業まで1冊も読んだことがないほどに活字には縁がなかった。千冊読めたかどうか定かではないが、活字に触れるきっかけとなったのは確か。その一言には本当に感謝している◆幸い周りには読書好きな若者が多い。そんな彼らにも「読みたくても読めない時期が来るから、それまでに少しでも多く読んでおくのがよい」と声をかけるようにしている◆そうしてインプットしてきたことを少しでも本欄でアウトプットできただろうか。「読み進むうちに(府内の)風景が浮かんだ」と、うれしい声とともに日々の励みをいただいたことも。本欄担当は今日が最後。つたないつづりにお付き合いいただきありがとうございました。(岡)