鳥取県の産業や歴史文化など、幅広い分野から識者を招く月例講演会「鳥取学出前講座」(大阪鳥取県人会、同県関西本部共催)が大阪市北区の同本部交流室であった。県東部・若桜町にある太田酒造場の太田章太郎社長が来阪し、自社の純米酒「辨天(べんてん)娘」を例に、米作りから始める酒造りのこだわりなどを語った。
20日に開催。太田社長は1909年に創業した酒蔵の歴史をはじめ、自社栽培も含めた地元産の酒米、地元の水を使った純米酒造りに取り組んでいる特徴を述べた。
仕込んだ順番で別々のタンクごとに「1番娘」「2番娘」-と名付け、ブレンドすることなく出荷していることや、商品を1年以上熟成させるため、コロナ禍であっても田の作付面積を減らさずに済んだことを紹介。「強力(ごうりき)」や県の新品種「鳥姫(とりひめ)」といった個性豊かな米の一粒まで大事に溶かしきってから搾っていることなどを列挙し、「大切な米を最大限生かして、しっかりと米の味わいがあるお酒を手がけている」と思いを込めた。
会場では異なる酒米を飲み比べる試飲もあり、参加者に好評だった。