追加の利上げ姿勢が弱まった米FOMC

  •  永浜利広(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

 先週、米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)で金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。事前の市場予想では、政策金利となるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を0.25%引き上げることがコンセンサスとなっていましたが、その予想通りとなり、政策金利の誘導目標は5.25~5.5%と2021年以来、22年ぶりの水準まで引き上げられました。

 そして、より市場が注目していたのが声明文の変更ですが、こちらも限定的となり、前回6月会合と同様にインフレ抑制への追加引き締めの度合いを検討しながらも、追加的な情報を引き続き評価していくといったスタンスは維持されました。

 このため、マーケットの反応も限定的となりました。次のFOMCは9月に開催が予定されていますが、FFレート先物市場に基づけば、そこで引き続き0.25%の利上げが実施される可能性は2割程度の織り込みにとどまっています。結果として、今回のFOMCにより年内の追加利上げの織り込みはあまり高まっておらず、市場も今後の経済指標次第とのスタンスとなっているようです。

 となると、今後特に注目される米国の経済指標とし...

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