地下鉄に揺られて都心の騒がしさを離れ、清澄白河駅(東京都江東区)へ。穏やかな時間の流れを求めて深川の街を訪れた。(共同通信=鈴木賢)
清澄通りから東へ、昭和の風情が感じられる通りを歩き、三ツ目通りに出ると、木場公園に隣接する空間が開け、スタイリッシュで重厚な東京都現代美術館が姿を現す。
メインエントランスから入ると、別世界のようだ。エントランスホールは奥行き140メートル、幅10メートル、高さ8メートルもの長大さ。コルク製の椅子で一息つき、企画展の「デイヴィッド・ホックニー展」と「あ、共感とかじゃなくて。」(いずれも11月5日まで)を鑑賞する。「ホックニー」は日本では27年ぶりの大型個展。絵画、版画、写真と、多彩で創造力みなぎる作品に圧倒された。
館内には27万点の蔵書を誇る国内最大規模の美術専門図書室やレストランもある。収蔵作品展も併せて鑑賞すれば半日はゆっくり過ごせるだろう。
駅に戻る途中、江戸時代から受け継がれてきた“ソウルフード”深川めしの専門店「深川釜匠」へ。丼には粒が大きく滋味豊かなアサリが底までぎっしり。経営者の池畑直樹さんは「一度食べたら忘れられない丼を目指している。...