孤立きょうにも解消 台風7号

鳥取県 5集落通行復旧急ぐ

 鳥取県は17日、台風7号の影響で発生した鳥取市と八頭町で孤立状態にある5集落について、18日中の解消を目指すと発表した。崩落や土砂崩れで全面通行止めとなっている各集落へつながる道路の開通を急いでいる。

 17日午後6時現在、救急車両などが通行できず孤立状態にあるのは、5集落の計71世帯129人。内訳は、いずれも鳥取市佐治町の「尾際」(38世帯68人)「中」(12世帯19人)「栃原」(12世帯25人)▽同市河内の「安蔵」7世帯15人▽八頭町の「姫路」2世帯2人-。同市河原町の「小河内」4世帯5人は、同5時ごろに県の防災ヘリで全員救助された。

 尾際、中、栃原、安蔵、姫路につながる道路は、夜間も復旧作業を行い、18日中にも孤立状態が解消される見込み。住民が避難している小河内の市道は19日早朝までをめどに通行止めが解消される見通し。

 断水状態が続く同市佐治町や河原町の一部(計244戸)は、17日までに水道管の再接続などにより仮復旧が完了する見込み。安蔵では地域で管理する飲料水供給施設が破損し、同市水道局が飲料水を配布している。

 農林水産関係の被害は28億円以上となる恐れがある。県東中部を中心に、梨など果樹園の土砂崩落、畑地の冠水、水田への土砂流入などが報告されている。複数の水路破損や林道の崩落のほか、同市では牛舎の浸水や土砂流入もあった。

 県は災害復旧対策費を編成し、知事専決の補正予算案を18日の県議会代表者会議で説明する予定。17日の県災害対策本部会議で、平井伸治知事は「各地で甚大な被害が出ている。ハードルは高いが、元の生活を取り戻すため、まずはとにかく孤立集落の解消を急ぐ」と話した。

 同市は被害の大きい佐治町に現地対策本部を設け、羽場恭一副市長が現地対策本部長として陣頭指揮を執っている。同市と同市社会福祉協議会は17日、災害ボランティアセンターの設置を決めた。(黒阪友哉、松本妙子)

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