先週、内閣府から4~6月期の実質国内総生産(GDP)1次速報が公表されました。結果は前期比年率6.0%増となり、事前の市場予想を2倍近く上回りました。そして、名目成長率に至っては同12.0%増と2桁成長を記録し、名目成長率が税収と深い関係があることからすれば、今年度の税収も大きく上振れする可能性が高まったといえるでしょう。
しかし内訳をみると、必ずしも国内経済が良くなっているわけではないことがわかります。というのも成長率6.0%のうち7割を上回る4.4%ポイント分が、輸入の減少のみで説明できるからです。
そもそもGDPは国内で生み出された付加価値の合計を示すものですから、海外で生み出された付加価値である輸入は控除することになります。そして、輸入は国内需要の状況に応じて左右されることから、輸入が減るということはGDPの押し上げ要因になるものの、一方で国内需要が弱いことを示します。
そして実際にGDPの国内需要はマイナス寄与となっています。中でも最大の押し下げ要因が個人消費であり、設備投資も横ばいにとどまっています。特に個人消費に関しては、新型コロナウイルス感染症の5類移行などによってサ...