毎年、夏季研修会と、年末に開かれる冬の納めの会の年に2度、私の所属している公益社団法人落語芸術協会の噺家をはじめ、色物の先生方も含め協会員全員が参加する通称「寄り合い」と呼ばれる集まりがある。
8月31日は、そのひとつである夏季研修会の日なのだが、新型コロナウイルスの影響で開催はなんと4年ぶり。この連載エッセーの締め切りが寄り合いの前日のため、今年の様子はまたいつの日か、である。また来週!と胸を張って言えないのには、理由がある。それは…ここに書けるような品位のある集まりになるとは限らないから…である。
例年夏の寄り合いは、協会の浴衣を全員そろいで着用し、午前中に東京・浅草にある本法寺さんにて行われる法要から始まる。これは、太平洋戦争の直前に禁演落語として葬られた古典落語を納めた「はなし塚」での法要で、それが済んでから浅草のホテルの宴会場にて研修会…と称した大きな宴会が開かれる。普段、師匠方からの理不尽に耐えている前座さんによる、ほぼ師匠方イジりの余興や新規協会員の紹介、協会員の受賞をたたえる報告などなどで数時間。そして、何より楽しいのがそのあとである。
真打ちは、人数が多いので仲の良...