滝沢馬琴作の「南総里見八犬伝」のモデルとされ、倉吉市関金の地で悲運の死を遂げた里見忠義と家臣「八賢士」をしのぶ「倉吉せきがね里見まつり」が3日、倉吉市内であった。神事と法要の後、甲冑(かっちゅう)姿で練り歩く時代行列や多彩なステージイベントが繰り広げられた。
忠義が亡くなった地とされる同市関金町堀にある、里見忠義主従の廟(びょう)や忠義らが葬られている大岳院(同市東町)では、高知県や埼玉県などから訪れた里見一族の子孫らが、焼香や献花で祖先を弔った。
時代行列(NPO法人養生の郷主催)は、公募した11人が忠義と八賢士に扮(ふん)し、大岳院から観光客でにぎわう白壁土蔵群内をほら貝の音に導かれて行進した。兵庫県加古川市から観光に訪れた藤原秀子さん(70)は「女性や外国の方が賢士を演じていて面白い」と興味深そうに話した。
市関金都市交流センターでは、八犬伝をモチーフにしたキャラクターコンテンツ「倉吉八犬伝」に出演している声優、赤羽根健治さんのトークショーのほか、倉吉八犬伝コスプレイヤーとの写真撮影会もあり、来場者らが八犬伝の世界観に浸った。