「ドイツの投票率は7割を超えています。ですが、25%の人は選挙に行きません。この非投票者を科学的に分析していきましょう」
ドイツのニーダーザクセン州にある中高一貫校の授業「政治」の一コマだ。授業を受けるのは17歳から18歳の12年生の生徒たち。どのように民主主義を教えているのか、州議会選挙を控えた昨年9月に主権者教育を取材した。
▽生徒たちが考える「なぜ投票しないのか?」
「非投票者を特徴づけてみよう」。先生の呼びかけに応えてタブレットに生徒が考えを書き出す。次々と手が挙がる。はつらつとした意見発表が続いた。
「政治への関心の低さが原因だと思います。ドイツでは近年、個人主義化により社会集団からの圧力が低下しているため、選挙に行くという社会からのプレッシャーがなくなり、選挙中は家にこもりがちになります。例えば友達同士であるいは学校で話題になったときに、『投票しろ』というプレッシャーを受けて、投票するような場合が減っています」
「私は一般的な政治体制に不満があると書きこみました。民主主義というシステムに不満がある人たちがいます」
「非投票者の中には、コスパを重視する人たちがいます。選択肢...