選挙に行かない人を科学的に分析する ドイツの学校の主権者教育とは?

  •  たかまつなな(時事YouTuber、笑下村塾代表)
  •  取材したヨナネス・ケプラー・ギムナジウム(筆者提供)
  •  「投票しない人を特徴付けてみよう」と呼びかける先生(筆者提供)
  •  手を挙げる生徒たち(筆者提供)
  •  タブレットに意見を書き込む生徒(筆者提供)

 「ドイツの投票率は7割を超えています。ですが、25%の人は選挙に行きません。この非投票者を科学的に分析していきましょう」

 ドイツのニーダーザクセン州にある中高一貫校の授業「政治」の一コマだ。授業を受けるのは17歳から18歳の12年生の生徒たち。どのように民主主義を教えているのか、州議会選挙を控えた昨年9月に主権者教育を取材した。

 ▽生徒たちが考える「なぜ投票しないのか?」

 「非投票者を特徴づけてみよう」。先生の呼びかけに応えてタブレットに生徒が考えを書き出す。次々と手が挙がる。はつらつとした意見発表が続いた。

 「政治への関心の低さが原因だと思います。ドイツでは近年、個人主義化により社会集団からの圧力が低下しているため、選挙に行くという社会からのプレッシャーがなくなり、選挙中は家にこもりがちになります。例えば友達同士であるいは学校で話題になったときに、『投票しろ』というプレッシャーを受けて、投票するような場合が減っています」

 「私は一般的な政治体制に不満があると書きこみました。民主主義というシステムに不満がある人たちがいます」

 「非投票者の中には、コスパを重視する人たちがいます。選択肢...

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