10年節目の手話パフォーマンス甲子園開催 熊本聾学校が7大会ぶりV

 開催第10回の節目を迎えた全国高校生手話パフォーマンス甲子園(実行委主催)が24日、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれた。過去最多69チームが参加した予選を勝ち上がった15チーム(1チーム欠場)が出場。選手は観客の胸を打つ演技を繰り広げ、熊本聾学校が7大会ぶりの頂点に輝いた。

 2013年に鳥取県手話言語条例が全国で初めて制定されたことを機に、手話の普及と理解を図ろうと毎年鳥取県で開催。制定10周年の節目でもある今大会は、4年ぶりに入場制限のない通常開催となった。

 関係者あいさつで全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長は「今でこそ手話が言語の一つであることは広く知られるようになったが、10年前は理解が進んでいなかった。条例制定は大きな喜びであり、大きな一歩だった」と振り返り、手話言語施策を推進する法律制定まであと一歩に迫っていると強調した。

 大会では手話を組み込んだダンスや実体験に基づいた社会への訴え、方言を生かした軽快なコントなど、それぞれの出場チームが情熱を注いで演技。来場者は大きな拍手や両手をひらひら振る「手話の拍手」で熱演に応えた。

 優勝した熊本聾学校は、同校伝統の手話落語を披露。審査員をうならせた手話や言葉の選択、軽快な掛け合いと表情豊かな演技で優勝を手繰り寄せた。メンバーは「自分たちらしい演技ができた」「心を一つにできた」などと喜びを語った。

◇優勝以外の上位入賞チーム
 準優勝=坂戸ろう学園(埼玉)▽3位=杏和高校(愛知)▽審査員特別賞=奈良県立ろう学校

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