鳥取県東部で7店舗を展開するスーパー「トスク」が30日、一斉に閉店を迎える。鳥取市にある本店の前身「鳥取生活センター」の誕生から55年。他の商業施設との競合や買い物客減少などに立ち向かってきたが、母体のJA鳥取いなばグループの経営改善の一環として幕を閉じることになった。長い歴史と思い出はさまざまな人の記憶に刻まれている。
同センターは鳥取市農協が県内農協に先駆けて1968年11月1日、同市行徳にオープンした。当時は珍しい4階建ての複合商業施設で、結婚式場や食堂も完備。屋上には遊具やお化け屋敷があり、実物のトラやジャガーが見られた「大動物展」、人気絶頂のアイドルグループ「光GENJI」のコンサート-など大規模なイベントも開かれた。
トスク業務部の宮本一男部長(59)は、「子どものころ店の前でクジラの解体ショーがあったのを覚えている」と懐かしむ。