兵庫県新温泉町に住む女性5人でつくるアイドルグループ「ももいろクロおばあZ」。平均年齢61歳ながら、元気いっぱいに踊る姿が交流サイト(SNS)で拡散され、ひそかに話題を呼んでいる。結成のきっかけは、本家「ももいろクローバーZ(ももクロ)」が昨年5月、隣町の香美町で開催したライブだという。メンバーに活動への思いを聞いた。

生のももクロに感銘
ももいろクロおばあZのメンバーは、新温泉町居組に住む53~69歳の女性5人。本名は内緒にしており、顔もメンバーカラーのかつらとマスクで隠している。手作りの衣装を身にまとい、本家ももクロのグッズを手に、明るく快活なパフォーマンスで会場を沸かす。

発起人となったのは、本家ももクロの佐々木彩夏さん役を担当する女性(53)。2020年に16年連れ添った愛犬を亡くし失意に暮れる中、テレビなどで見かけた本家ももクロに元気をもらい、立ち直ることできたという。
すっかりモノノフ(本家ももクロファンの名称)になり、活動を追っていると、本家ももクロが隣町の香美町でライブを開くことが決まった。アルバム「祝典」を携え、地域活性を目的に地方を中心に巡る全国ツアーの一環だった。

女性は運よくチケットが当選し、香美町の香住区中央公民館で、憧れの本家ももクロを初鑑賞。生のパフォーマンスに感銘を受け、「ももクロに入りたい!」という夢ができた。
そして「この子たちみたいに元気に踊ってみたい」と、昨年8月ごろに地域の仲間に声をかけた。
「ネーミングが良い」モノノフから反響
女性らは以前から町内の老人施設に行き、出し物をしていた経験があり、仲間も依頼を快諾。週1回ほどの練習を重ね、新温泉町の文化祭や地区の敬老会に出演し、手応えをつかんだ。
そして今年9月24日に新温泉町の兵庫県立但馬牧場公園であった「世界の但馬牛まつり」のステージが転機となった。

この日披露したのは、5人体制時代にリリースした人気曲「Z伝説~終わりなき革命~」と激しいダンスが特徴の「Chai Maxx(チャイマックス)」の2曲。
ただ、メンバーの年齢的に体力に限界があるため、それぞれの曲を2分半、1分半に短縮。さらに、振り付けを優しくアレンジした。

5分間の発表だったが、観客に与えたインパクトは大きかった。
活動に感動した兵庫県立但馬牧場公園のX(旧ツイッター)担当者が、ステージの様子や結成の経緯を投稿。モノノフらから「ネーミングからして良い」「元気すぎる」「じわじわきてる」などと好意的なコメントが相次いだ。

「いつか共演を…」控えめに語る目標
ひそかに話題となっているが、何と、ももいろクロおばあZのメンバーたちはネットに疎く、反響があったことをほとんど知らなかった。女性は「こんなことになるとは…」と両手で顔を覆い、驚きを隠せない様子だった。
さらには本家ももクロの高城れにさんが写真共有アプリ「インスタグラム」への投稿で、ももいろクロおばあZを認知していることが明らかに。女性は「まさか、れにちゃんまで届くとは思わなかった。本当にうれしい」と喜ぶ。

予想外の反響を受け、今後の活動への意欲が増した。「この年になると緊張感を味わうことはない。私たち自身良い刺激になっているし、同世代にもまだまだ頑張れることを伝えていきたい」と語る。
最後にグループとしての目標を尋ねると、「無理だとは思うけど、いつか本家ももクロと共演できたらいいな…」と控えめに笑っていた。