パリ五輪日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(10月15日・東京)で4位に入ったプロランナーの川内優輝さん(36)=あいおいニッセイ同和損保=が31日、鳥取県トップアスリート派遣事業で智頭町の智頭小を訪れた。「現状打破」という題目で講演し、児童代表と校庭で競走した。
川内さんは講演で、2018年のボストン・マラソンで優勝したことなどこれまでの成績を挙げ、挑戦や継続の重要性を強調。「小さな目標を積み重ねることで大きな夢につながる」と説いた。
各学年代表の2人ずつの計12人がリレーする同校チームと約3400メートルで競走した。川内さんは終始笑顔を見せ、最後まで先頭を譲ることなくゴールすると、観戦していた児童から歓声が上がった。
アンカーを務めた6年の萩原満月君(12)は「とても速くて抜けなかった。努力していつか勝ちたい」と悔しそうだった。
授業後の取材に対し、来年のパリ五輪出場への意欲も語った。
MGCのレースは強い雨の中で実施された。川内さんは序盤から独走。大逃げを図ったが、35キロ過ぎに後続が追い付くと、優勝した小山直城選手=ホンダ=が39キロ手前で抜け出した。
このレースの上位2人が代表入りを確定。残り1枠となる3人目の代表は来春までに行われる「ファイナルチャレンジ」の対象大会で男子は2時間5分50秒の設定記録を突破した最速の選手に決まる。
この日、川内さんは「タイムは来年の大阪マラソンなどで狙っていきたい。いまは4番目で補欠の候補。自分にもパリの可能性はあると思いながら、しっかりと強くなっていきたい」と語った。
また「まだまだ自己ベストを更新していきたいし、いろいろな大会で優勝や入賞を狙いたい。何よりも、多くテレビに映るような活躍を残して、子どもたちに喜んでもらえる選手になりたい」とも述べた。