人柄にじむ川柳句集出版 本紙柳壇選者 牧野芳光さん CD「倉吉未練」の作詞も

 本紙柳壇選者で税理士の牧野芳光さん(75)=倉吉市大原=が、川柳句集「三色の絵」(新葉館出版)を出版した。身の回りのことや人間臭さを詠んだ句が多く、牧野さんの穏やかな人柄が伝わってくる。ほぼ同時に、牧野さんが作詞を手がけた倉吉にまつわる歌のCD「倉吉未練/ときめき」も完成。倉吉の町並みと遠い思い出がよみがえってくるような内容となっている。

 牧野さんは2011年に川柳塔の路郎賞、16年に第14回川柳マガジン文学賞の大賞などを受賞。「三色の絵」は「蜃気楼(しんきろう)」(18年出版)に続く2作目で、自身の歴史を記す思いで出版した。これまで大会や句会に提出してきた何千句もの中から、252句を厳選。作句した年を赤、青、紫の時代に分け、3章で構成している。

 牧野さんの作品に時事句はほとんどなく、旅行先で見たことや思ったことを詠み、後で読み返すとその時の情景が思い起こされるものが多い。「(川柳は)五七五の一拍子だと思っている」と話し、「言い足りないところは詩にすると広がるから」と詩を書くこともあるという。

 「倉吉未練/ときめき」は、牧野さんが作詞。「倉吉未練」は作曲・山根万里さん、歌・中野美紀さん、「ときめき」は生原幸太さんが作曲し、みわりんさんらが歌うなど県内在住の音楽家らが結集してCD化した。特に「倉吉未練」は情緒的で、70代以上の県外在住者に好評という。

 牧野さんは川柳を始めて26年目を迎え、「川柳は先生とか師匠などの格付けがないのがいい。年齢の上下も打算もなく、気軽に誰とでも話すことができる川柳という趣味を持てたことに感謝」と語った。

 ◇句集「三色の絵」はB6判95ページ、税込み1320円。県内の書店から取り寄せることができる。CDは同1100円で、倉吉市西町の人形のたいらで販売している。

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