イラストレーター和田誠さん(1936~2019年)の業績を、映画との関わりに絞って振り返る展覧会「和田誠 映画の仕事」が東京・京橋の国立映画アーカイブ展示室で開かれている。24年3月24日まで。
和田さんの約60年にわたる仕事から、映画を「知った・描いた・語った・集めた・撮った」という五つの切り口で展示を構成した。
「描いた」のコーナーでは、和田さんが手がけた東京・新宿の「日活名画座」のポスターが壁一面に飾られた。山田洋次監督や俳優の渥美清さん、スティーブン・スピルバーグ監督ら世界の映画人のイラストや、装丁を手がけた本も紹介する。
「語った」では、1973年に雑誌「キネマ旬報」で始めた連載「お楽しみはこれからだ」の直筆原稿を展示。映画の名ぜりふやシーンの魅力を軽妙なタッチでつづっている。
プロデューサー角川春樹さんと出会い、映画監督として製作したのが「麻雀放浪記」(84年)。和田さん直筆の絵コンテや、製作記録「お楽しみ通信」などを通じて、緻密で熱心な仕事ぶりを伝える。
映画のフィルムやポスターの、コレクターとしての顔も紹介。同館主任研究員の岡田秀則さんは「初めて和田さんの仕事に触れる...