首都ジャカルタでは11月半ば、歩行者天国(ホコ天)などを使って「世界糖尿病デー」の関連イベントが各地で開かれ、大勢の市民が朝から参加した。国際糖尿病連合(IDF)によれば、インドネシアの20~79歳の糖尿病患者数は2021年時点で1950万人と、10年間で約3倍に増加。45年には2857万人に拡大すると試算されているなど状況は深刻だ。
コロナ禍以降、人々の健康への関心は確かに随分高まった。スポーツウエアとシューズに身を包み、ウオーキングやジョギングする人たちで目抜き通りが埋まる。だが砂糖の摂取を減らそうと訴えるイベント会場のそばで、甘い飲料を無料で配る企業のブースを目にすると、矛盾を感じなくもない。
ずらりと並んだ露店では、カットフルーツよりも隣にある揚げ物の方に人が集まる。ホコ天で過ごす時間は、運動後の朝食を目当てにした娯楽のようだ。食習慣はすぐに変わらないだろうが、皆楽しんで汗を流している姿を見ると、ここに商機があると思える。(インドネシア)
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