道路や橋の崩落、上下水道の寸断、集落の孤立…。8月15日に鳥取県に最接近した台風7号は記録的な豪雨をもたらし、県東中部で甚大な被害が発生した。一夜明けた16日から被災地へ向かうと、台風が残した数々の爪痕に言葉を失った。
八頭町福地では集落内を流れる私都川が増水し、県道282号が約70メートルに渡って陥没。普段はせせらぎが感じられる場所だが、16日は濁流がごうごうと音を立て、川底には無残に道路標識が横たわっていた。
17日には鳥取市佐治町余戸で、孤立集落を生む原因となった国道482号の崩落現場を見た。道路は増水した川によって大きくえぐられ、一部は表層だけが宙に浮いていた。自然の力と怖さを思い知らされた。
18日は7世帯15人が孤立した同市河内の安蔵集落へ向かった。被災から3日たつが、行政の支援もままならない状態。住民から不安や不満の声が漏れていた。