高齢者の自動車運転や免許返納について考える講習会が、鳥取市幸町の市中央人権福祉センターで開かれた。作業療法士や公共交通機関、行政関係者ら多業種から参加者が集い、高齢者の健康への影響や生活課題、支援のあり方などについて意見交換した。
介護事業などを手がける「つむぎ」(同市行徳1丁目)が企画。日本作業療法士協会の沢田辰徳さん(48)が講演した。
沢田さんは国立長寿医療研究センターなどのデータを基に「高齢者は免許返納で外出機会が減ったり意欲の低下を引き起こしたりし、健康状態が悪化することがある」と指摘。「使えるなら車は使えた方がいい」と述べた。その上で公共交通の利用や、車の運転は決められた道や目的に限定し、運転機会を減らしながら徐々に免許返納の準備をすることが重要とした。
参加者は運転に必要とされる視覚性短期記憶のテストに挑戦したほか、各業界が抱える高齢者問題について共有した。鳥取トヨペット鳥取店の下石泰司さん(40)は「免許返納でさまざまリスクが増えることを知った。長く運転してもらえるよう、サポカー教室などの応援ができたら」と話した。