鳥取県が手話を言語として定める手話言語条例を制定してから10年。県内では手話言語に対する認知度が高まり、筆談ボードや指さし表示板などを導入する店舗や交通機関が着実に増えている。聴覚障害への理解が広がる一方で、健常者が手話に触れる玄関口の役割を果たしてきた手話サークルは高齢化が進み、若手の参入が少ないという課題が浮き彫りになっている。
県は条例制定以降の10年で、入門手話の解説動画作成など手話を学ぶ機会の創出に力を入れてきた。公的機関でろう者の支援ができる手話奉仕員の数は、2014年度の72人から22年度には1・56倍の112人に増加。耳が聞こえない、聞こえにくい人などが指さしでやりとりできるよう、平易な言葉や絵でQ&Aを表す「コミュニケーションボード」を設置する公共機関や店舗も増えた。