年末回顧2023(2)「但馬牛の飼育システム」世界農業遺産に認定 悲願成就に沸く ブランド力の向上に期待

  • 世界農業遺産認定の通知書を手にする浜上会長(中央)ら関係者=7月7日、香美町役場

 国連食糧農業機関(FAO)が7月、「人と牛が共生する美方地域の伝統的な但馬牛の飼育システム」を世界農業遺産に認定し、香美、新温泉両町の関係者は喜びに沸いた。伝統を守り続けた先人らの取り組みが、世界で唯一無二のものとして認められた形で、ブランド力や農家の生産意欲の向上が期待される。

 認定に向けては、2018年2月に香美、新温泉両町、JAたじまなど但馬地域の23団体が「美方郡産但馬牛」世界・日本農業遺産推進協議会(会長・浜上勇人香美町長)を設立。19年2月の日本農業遺産認定を経て、同10月には農林水産省を通じてFAOに申請書を提出した。その後、現地調査が行われる予定となっていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で見送られた。

 ようやく現地調査が実現したのは23年6月下旬。FAOの調査委員、李先徳さんが美方郡を訪れ、但馬牛の放牧場や県立但馬牧場公園など9カ所を視察した。畜産農家の中井崇泰さん(30)や但馬牛博物館の野田昌伸副館長から説明を受けた李さんは、報道陣の取材に「(認定を)サポートしたい」とコメント。関係者の期待は一気に高まった。

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