大正天皇が食した朝食再現 倉吉の地域資源を活用 モニターツアー実施

 まち全体をホテルとする分散型宿泊施設の整備に取り組んでいる倉吉市で、付加価値の高い旅行者を誘客するための事業が進められている。23、24両日にはモニターツアーが実施され、国の登録有形文化財で天皇ゆかりの飛龍閣(同市仲ノ町)で当時皇太子だった大正天皇が食べたとされる朝食を再現して提供するなど、地域資源を活用した滞在型のツアー商品造成へヒントをつかんだ。

 

 ツアーは、県指定文化財の小川家住宅や国登録有形文化財の旧高多家住宅を中心とした滞在型観光地の実現に向け、まちづくり会社「赤瓦」(同市新町1丁目)が企画。観光庁のインバウンド支援事業に採択され、観光まちづくりを手がけるバリューマネジメント(大阪市)の協力を得て取り組む。

 同市が三徳山と大山の二つの神山に挟まれていることから、テーマを「神山修行と精進落とし」に設定。三徳山三仏寺での六根清浄修行や、旧銀行建築の白壁倶楽部(くらぶ)での冬の味覚ディナーなど、鳥取県中部の観光コンテンツを体験する。

 24日朝、飛龍閣に広田一恭市長らが訪問。嘉仁皇太子(後の大正天皇)が倉吉を訪れた際に同所で食べた記録が残る朝食の一部を再現した料理が振る舞われ、参加者は雪が舞うまちなみを一望しながら堪能した。参加者は白壁土蔵群も散策し、石臼コーヒー体験や倉吉ビールの飲み比べ、鳥取和牛ランチなど倉吉の魅力を存分に味わった。

 広田市長は「国内外から観光客を招く魅力の一つになる」と期待。コピーライターの志賀章人さんは「全体的に文化レベルが高く、ツアーもストーリー性があって良い」と評価した。赤瓦の戸崎隆之専務は「手応えを感じた。ツアー商品の販売に向け、調整を重ねたい」と話した。

 

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