3月31日に倉吉未来中心で開かれる鳥取県立美術館(県美)の開館1年前カウントダウンイベント「どんどこ!巨大紙相撲」の本場所を前に、イベントを企画した美術家の土谷享さん(47)が2月25日、倉吉市明治町の打吹回廊でイベントに込めた思いを語った。
土谷さんは自転車をこいでかき氷をつくる仕組みなど、鑑賞者が参加して作品の一部となるアートプロジェクト「KOSUGE1-16(コスゲいちのじゅうろく)」を展開。段ボールで等身大(身長約180センチ)のオリジナル力士を制作して戦わせる「巨大紙相撲」もプロジェクトの一環で、全国で開催している。
この日は、巨大紙相撲の開催趣旨や現代アートへの理解を地域関係者に深めてもらおうと、県美パートナーズと県教委がアーティストトークとして主催し、約20人が参加した。
土谷さんは「持ちつ持たれつの関係性をつくり出す場」という自身の創作コンセプトを踏まえ、プロジェクトについて「遊びの中で発生する偶然の要素が、参加者や周辺の人々の能力を活性化させる」と説明。本場所を前に県内各地を巡って開催される力士制作のワークショップや、来年3月にオープンする県美に関し「一つのテーマの下、対等な立場でいろんな人が集まることが重要。子どもたちが多様な人と出会うきっかけにしてほしい」と呼びかけた。
倉吉市八屋の画家、足立純子さん(79)は「美術にはもっと広い世界があると気付かされた。視野を広げるため、巡業からのぞいてみたい」と話した。