女性客らの冷たい視線が突き刺さる。マレーシアの首都圏を走る都市高速鉄道(MRT)2号線(プトラジャヤ線)の女性専用車両でのこと。視線の先では、男性客が「こっちの方がすいているぞ」と言いたげな表情で、隣の一般車両に乗っている仲間を手招きしているところだった。
プラットホームにもホームドアにも一目で専用だと分かるようにピンク色のステッカーが貼ってある。それにもかかわらず、なぜ男性客が?
周りの女性客らと同様に不思議に思っていたが、後のニュースで、その時はまだ供用の開始される前だったことが分かった。見回した限り開始日のお知らせはなく、女性客が勘違いしても致し方ない状況だった。
同路線では、4月8日に専用車両が正式に導入された。36駅のプラットホームと列車49編成にステッカーを貼付。列車1本につき2両が対象となり、300~400人の乗車が可能だ。鉄道運営会社のラピッドレールは昨年9月にMRT1号線(カジャン線)で先行導入し、セクハラの通報件数が月平均3・2件から2・0件に減ったという。
マレーシアでは今後も、普及が進むとみられる。男性諸氏はうっかり乗って、冷たい視線を浴びないようお気を付けあ...