【養老先生に人生相談!】気楽な親子関係のつくりかたを教えてください

  •  養老孟司さん(撮影・小倉元司)
  •  養老先生の一言メッセージ

【相談】

 人の悩みのほとんどは人間関係に因を発し、中でも親子関係の悩みを何十年も引きずっている人が多いと、あるお坊様から伺ったことがあります。

 たしかに私自身、もはや古希を超えた今に至っても父・阿川弘之の亡霊から逃れ切っていない気がします。父親を失った娘は、たとえ父親に対して深い愛情を抱いていなくとも、亡くなってしばらくたつとその喪失感ゆえに、突然、涙が望陀(ぼうだ)のごとく流れるものだと教えてくれた友人がいます。が、父が他界してすでに10年。いまだにその手の涙を流したことがありません。それどころか、ときどき夢に現れる父は相変わらず憤怒の顔で迫ってきて、私は焦るというパターンばかりです。

 もっとも私は、父の悪口やひどい目にあったエピソードをオモシロおかしく文章にして、憂さを晴らす機会に恵まれました。原稿料まで稼いで、ありがたや。とはいえ、父の圧力がよみがえってなんとなく不安になることもある。

 いったい親とは、子どもとは、何に気をつけて関係をやりくりすればいいのでしょう。養老先生のお考えになる「気楽な親子関係のつくりかた」を教えていただきたいです。(71歳 作家 阿川佐和子 東京都)

 【...

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