地域の漬物文化ピンチ 基準厳格化で生産者減

  • らっきょう漬けや梅干しなどの漬物が並ぶ商品棚=7日、鳥取市安長の愛菜館
  • 板井原ごうこの漬かり具合を確認する原田会長=4月、智頭町智頭

 長年地域で受け継がれ、日々の食卓を彩る漬物。鳥取県内にもらっきょうや大根漬けなど名産があるが、道の駅や農産物直売所に出品する農家など生産者は減少している。製造販売を許可制とする改正食品衛生法(2021年6月施行)の経過措置が今年5月末に期限を迎え、厳しい衛生基準が課せられるためだ。「地域の食文化が消えないか」など懸念の声も上がる。

 「喜んで食べてくれるのが生きがいだった」。5月末で製造をやめる決断をした「智頭やたら会」(智頭町三田)の谷口辰夫代表(76)は寂しげにつぶやいた。大根や菊芋など数種類の野菜でつくる「やたら漬け」。鳥取県の製造許可を得るために勉強会などにも参加してきたが、「作業場の検査や水道設備の改修費用、年齢を考えると仕方がない」と肩を落とす。

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