防災グッズ関心高まる 県内各店舗に特設コーナー

簡易トイレや備蓄水、品薄も

 能登半島地震を受け、鳥取県内でも防災グッズの需要が高まっている。特に被災地で続く断水を懸念し簡易トイレなどを買い求める客が多く、品薄状態になる店も。各店舗は新たに特設コーナーを設けたり、災害に応じた商品を紹介するハンドブックを置いたりし、いざという事態に備えるよう求めている。(三野夏美、竹内涼子、伊垢離真奈)

 カインズFC鳥取店(鳥取市古海)では地震後、常設する防災グッズコーナーとは別に、急きょ出入り口付近にも特設コーナーを設けた。「能登半島地震発生の2~3日後あたりから防災グッズが継続して動いている」と売り場担当の川上徹さん(27)。

 中でも、ウオータータンクや簡易トイレが売れ筋だ。簡易トイレや備蓄水は平年に比べて2~3倍、非常食は大幅な売り上げ増で、一部の非常用トイレや防災バッグは常に品薄状態。ブルーシートを被災地に送りたいとの声も多く寄せられているという。
 これまでは中高年世代が多く買い求める傾向だったが、近年は若い世代の購入も目立つ。防災バッグの下見に訪れた70代女性は「鳥取でもいつ災害が起こるか分からない事態なので、早急に備えないと」と危機感を口にする。

 家電量販店のケーズデンキ鳥取本店(同市古海)は家電の耐震ベルトや防災バッグ、水不要なシャンプーなど幅広く用意。コンセントがない場所でも電気が使えるポータブル電源と、ポータブルソーラーパネルのセット購入を勧めている。

 お客様係の青木茂成さん(44)によると、年配客を中心に簡易トイレや蓄電池の売り場前で足を止める客が目立ち、蓄電池の修理依頼もあるなど「購入にいたらなくても防災意識の高まりが見える」。実際購入される商品では、広範囲を照らせるランタン型の発光ダイオード(LED)や乾電池など比較的安価なものが多いという。

 スーパーホームセンターいない倉吉中央店(倉吉市下田中町)は、通年販売している防災グッズや関連商品を集めて特設コーナーを設置している。家具転倒防止の伸縮棒は、地震発生後から問い合わせが増えた。停電に備えファンヒーターから灯油ストーブに買い替える人もいる。
 小林一真店次長は「普段ほとんど売れない長期保存水などが売れ出した」とし、防災グッズ購入後の注意点として「災害時に重宝する乾電池は消費期限があり未開封でも放電する。電池残量も含め定期的な確認を」と呼びかけた。

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