からくり人形の世界堪能 わらべ館 九代玉屋庄兵衛氏が実演

 からくり人形の修復や創作を続ける人形師、九代玉屋庄兵衛氏(69)=名古屋市=が18日、鳥取市西町3丁目のわらべ館を訪れ、革新的な技術を実演、解説した。50人が伝統的なものづくりの世界を堪能した。

 

 からくり人形は歯車やぜんまいで動き、江戸時代に祭の山車や座敷などで、客へもてなしとして使われた。九代玉屋庄兵衛氏は大英博物館に作品を寄贈するなど創作活動が評価され、2015年に現代の名工に選ばれた。

 同館が所蔵する茶運び人形は先代の八代が制作、九代玉屋庄兵衛氏が修復した縁で、イベントが実現した。実演では、ぜんまいをまいて人形の手に湯飲みを置くと、1メートル先の観客の元へ動き出した。観客が湯飲みを置くと再び移動し、始点に戻った。

 弓ひき童子は矢を持ち、弓を構えて射ると、1メートル先の的に的中させた。それぞれの動作に合わせて表情が変化する精巧さに、観客から拍手が起こった。

 玉屋庄兵衛氏は人形の構造や木製の歯車の緻密さについて解説し、「おもちゃは世界にあるが、からくり人形は現代につながるものづくりの精神が凝縮されている」としめくくった。鑑賞した鳥取市田園町の山添夏乃葉ちゃん(5)は「人形の中身を見て驚いた」と感激した様子だった。

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