大型連休が終わり、通勤電車に会社員や学生の姿が戻ってきた。やけに眠たげな若者を見ていると、どんな休日を過ごしたのだろうかと妄想が膨らむ◆祝日に取材で歩いた大阪市内の繁華街はどこも混雑していた。なんば周辺は国内旅行客よりも、やはりインバウンド(訪日客)の家族連れが目立つ。商店街のラーメン店主いわく「もうすっかりコロナ禍前のミナミ」◆不要不急の外出自粛といわれ、困惑の大型連休が始まったのが3年前。百貨店は閉まり、イベントは軒並み中止。がらんとした大阪駅がまるで映画のワンシーンのように映った。にぎわいはようやく戻りつつあるが、人々の生活スタイルは大きく変わった◆わが家では“安近短”の日帰り旅行もすっかりご無沙汰になり、休日に家族でといえばもっぱら土いじり。今年も形が崩れてしまった生け垣を刈り込み、長男は机の引き出しに眠っていたヒマワリの種を植えた。小学生の頃に担任からいただいたというから2年以上前。芽が出るのは厳しいかもしれない◆今日は5月(ゴ)8日(ヤ)で「ゴーヤーの日」。最後に行った家族旅行は、コロナ禍前の沖縄だったと気づかされた。もはや戻らない時間を憂うのはやめてポストコロナへ、希望の芽を育んでいきたい。(北)