JR鳥取駅周辺で23日、鳥取市のバリアフリー点検作業があった。視覚、聴覚障害の当事者や行政関係者らが参加し、横断歩道や点字ブロックなどの道路設備を確認した。
市医療看護専門学校の学生や国土交通省の職員ら50人が5班に分かれて点検。同駅南側の歩道や横断歩道を実際に歩き、舗装や段差の状況、点字ブロックの劣化などについて報告した。
同駅からイオン鳥取店、市役所に続く歩道を点検した班は、同店前の横断歩道の青信号の時間が短い▽歩道が根上がりしている―などと指摘。車道と歩道の段差について「段差が全くないと境目が分かりづらい」といった意見もあった。
網膜色素変性症で視力がほとんどない近藤宏和さん(67)は、横断歩道用の点字ブロック「エスコートゾーン」を、市役所とイオン鳥取の間などの交通量が多い道路に設置するよう要望。「鳥取は車社会で歩行者が少なく、誰にも助けを求められないことがある。どこでも歩きやすいまちにしてほしい」と訴えた。
点検結果を踏まえ、市は関係各所に改善を求める。市障がい福祉課の枡谷承文課長は「劣化部分を確認できた。誰もが安心して暮らせるまちづくりに生かしたい」と話した。(中村芙美子)