“大阪産”を世界に 福島区の洋食店「極カレー」第2弾開発

 大阪市の洋食店が、地元食材を使ったレトルトカレーの開発に情熱を注いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で疲弊した生産者の力になりたいという思いも背負って走り出したが、飼料などの価格高騰が重くのしかかった。それでも4月下旬に第2弾を発表。店主は2025年大阪・関西万博を視野に「食の都・大阪の素材を世界へ発信したい」と意気込んでいる。

 「大阪極カレー」を開発したのは、洋食店を運営する同市福島区の「ヨコオ」。横尾淳社長(52)は外食自粛が長期化する中、「レストランの味を家庭に届けたい」と一念発起。出荷が滞る生産者を目に「十分な補償を受けられていない」と考えた経緯がある。今回も横尾さん自身が産地を訪問し、新たに「大阪産(もん)」の主要食材を3種類追加した。

 牛肉は、堺市で年間40~50頭しか生産されない、あっさりとした味わいの「大阪ウメビーフ」を採用。まろやかさの決め手になる豚肉は、東大阪市の「なにわポーク」を使っており、それぞれ梅酒製造大手「チョーヤ梅酒」(羽曳野市)から出た漬け梅を飼料に含んでいるのが特徴だ。油がまろやかで、バランスの取れた味に仕上がった。

 さらに「パンチがほしい」と考えるさなか、辛口とされる外国品種の約3倍の辛さがある赤唐辛子「堺鷹の爪」と出合い、試作を重ねた。なにわの伝統野菜の一種は「西洋のスパイスと雰囲気は違うが、欧風カレーにもよく合う食材。風味が良く、日本らしい」という辛味を利かせた。昨夏の第1弾に引き続き、みずみずしさがたっぷりの「泉州玉葱」で甘みを、大阪・柏原産「ワイン」の酸味は煮詰めて隠し味にした。

 1箱220グラムで1780円(税込み)。初回は千食限定だが、増産も検討中。3千食を完売した前回から160円値上げしたが、それも生産者を応援するため。まずは「大阪のおいしいものを召し上がっていただいて、生産者の存在を知ってほしい。大阪の食文化に触れるきっかけに」と展望している。

 販売は福島区の本店と新大阪店、ECサイトで。

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