実物大オブジェでコウノトリ呼び込む 本物ペア定着に期待 香美町「トキワ」農園

 香美町香住区の矢田川沿いにたたずむ2羽のコウノトリ!?―。同区三谷の食品製造会社「トキワ」の農園「さとの風ファ~ム」に、ペアのコウノトリの姿を模した実物大のオブジェがお目見えした。関係者は「このオブジェが仲間を呼び寄せて(近くの巣塔に)飛来してくれたら」と、本物のコウノトリの定着に期待を寄せている。

 同社は2022年4月、同農園近くに美方郡内では初となるコウノトリの人工巣塔を設置。その2か月後、豊岡市生まれの雄のコウノトリ=当時2歳=が1羽飛来していたのが確認されたが、営巣・産卵には至らなかった。

 コウノトリの保護活動を行っている稲美町の広告会社が、巣塔周辺にオブジェを設置したところコウノトリが飛来して営巣・産卵をしたという。オブジェに本物のコウノトリを誘引する効果があるとみて、「後に続ければ」と今回の設置となった。

 オブジェは、同区余部の看板製作会社レンゴー広告が製作。繊維強化プラスチック(FRP)製で、高さ約2メートル、幅約1・2メートルと大人のコウノトリとほぼ同じ大きさ。巣塔の方向へ翼を大きく広げる個体と県道方面をじっと見つめる個体のペアを設けた。今年5月中旬、高さ約2メートルのコンクリート製の台座に設置された。

 同社の柴崎一秀会長は「県道からオブジェが見えるので、遠方からの客にも保全活動を知ってもらえたら。コウノトリは豊かな自然環境の象徴。周辺の田んぼや農園の環境をより自然に近づけ、飛来を待ちたい」と話していた。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事