人生と重ね胸にグッと “日韓の架け橋”キム・ランヒ

 韓国ソウル出身で在阪の演歌歌謡曲歌手、キム・ランヒが来日活動30周年を記念する新曲「望郷トラジ」の発売に合わせて日韓交流ライブを大阪・十三のライブハウスで開催。作詞のもず唱平と所属のホリデージャパン・亜紀広俊社長も駆けつけ、節目をファンと共に祝った。

 ソウルのライブハウスで歌っているところを後の所属事務所社長に特徴あるハスキーボイスを買われてスカウトされ来日。金蘭姫として1991年7月「鴎(かもめ)/ふられチャイナ」で日本デビュー。93年には吉幾三が作詞・作曲を手がけた「釜山」を発売し“韓国の歌姫”として人気を得た。99年には後に神野美伽もカバーした「あんたの大阪」(作詞荒木とよひさ、作曲三木たかし)が大ヒット。MBSラジオで「ランヒと春團治と(シゲ)の今宵(こよい)も陽気な歌酒場」で、軽やかな日本語でズバズバ語るDJを務めている。

 新曲は作詞・もず唱平、作曲・杉本眞人のヒットメーカーが組み、コロナで遅れた彼女の30周年記念曲として5曲を作成。A面は彼女の故郷に咲くトラジ(キキョウ)の花をモチーフに独りで生きる女を描いた。彼女は「私の人生と重なって胸にグッと迫り、歌うたびに涙が出てしまう」と思いがこもる。

 ライブであいさつしたもずは「これからも日韓の架け橋となって、アジアの歌姫に」と激励。亜紀社長も「素晴らしい楽曲を頂いた。皆さんの応援で大ヒットに」と力をこめる。

 カップリングは、残る4曲の中から彼女自身が選んだ「何ぼのもんや」。不誠実な男に対し、女性が恋心を残しながらも怒りをあらわにし、大阪弁で相手をなじる時に使う捨てぜりふの定番が題名に。大阪弁らしいだじゃれも随所に盛り込まれ、ついクスッと笑ってしまう。ライブで彼女は「乗りのよい曲ですよ。でも私、大阪弁のだじゃれまでは分からへんから歌詞が難しかった。最初はまず曲を音符で覚えて、それから歌詞をじっくり頭に入れました」と笑う。

 終了後は彼女が自らCDを手渡しで販売。「令和での私の代表曲にしたい。もず、杉本両先生に頂いた5曲を必ず世に出します」と張り切っている。

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