東京都知事選が告示された。七夕の投開票日に向けて、過去最多の候補者数、選挙ポスターや選挙運動の在り方など、さまざまな形で話題になっている。
市区町村、都道府県の首長の選挙は、私たちにとって最も身近な民主主義の学校であると言える。そして、今回の都知事選もそうだが、必ずしも「政策」ではなく、候補者の人柄が重視されるとも言われている。
もちろん、国政との関連もあるし、地方自治体をどのようにしていくかという政策の課題もある。しかし、それ以上に候補者がどのような資質を持っていて、どんな人柄なのかが重要な判断材料になるのは、結局、首長という仕事が総合的な“人格力”を問われるからだろう。
講演会などの際に、全国各地の首長さんとお目にかかって、お話しする機会がある。そのたびに思うのは、首長とは本当に大変なお仕事だということである。
それぞれの方の取り組みにもよると思うのだけれども、首長には、基本的に完全なオフの時間がない。月曜から金曜までは役所との関連で通常の業務があるし、週末も地元のさまざまなイベントに公務として出席し、あいさつをしたりする。加えて、地元から首都圏に出張したり、自治体同士で相互訪問...