【茂木健一郎のニュース探求】いざという時、問われる首長の人格力 東京都知事選に思う

  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
  •  東京都庁舎=東京都新宿区、2020年6月
  •  東京都知事選で、同一のポスター(左右と下)が張られた掲示板=6月21日午前、東京都新宿区
  •  都知事選候補者の演説に耳を傾ける有権者ら=6月23日午前、東京・巣鴨
  •  東日本大震災の大津波にのみ込まれ、骨組みだけになった宮城県南三陸町の防災対策庁舎=2011年4月

 東京都知事選が告示された。七夕の投開票日に向けて、過去最多の候補者数、選挙ポスターや選挙運動の在り方など、さまざまな形で話題になっている。

 市区町村、都道府県の首長の選挙は、私たちにとって最も身近な民主主義の学校であると言える。そして、今回の都知事選もそうだが、必ずしも「政策」ではなく、候補者の人柄が重視されるとも言われている。

 もちろん、国政との関連もあるし、地方自治体をどのようにしていくかという政策の課題もある。しかし、それ以上に候補者がどのような資質を持っていて、どんな人柄なのかが重要な判断材料になるのは、結局、首長という仕事が総合的な“人格力”を問われるからだろう。

 講演会などの際に、全国各地の首長さんとお目にかかって、お話しする機会がある。そのたびに思うのは、首長とは本当に大変なお仕事だということである。

 それぞれの方の取り組みにもよると思うのだけれども、首長には、基本的に完全なオフの時間がない。月曜から金曜までは役所との関連で通常の業務があるし、週末も地元のさまざまなイベントに公務として出席し、あいさつをしたりする。加えて、地元から首都圏に出張したり、自治体同士で相互訪問...

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