コウノトリひなに足環 照明塔で順調に成長 八頭 兵庫の公園職員 健康状態を調査

 八頭町などは9日、町内の野球場照明塔に営巣し、ふ化した国の天然記念物コウノトリのひな3羽に個体を識別する足環(あしわ)を装着した。ひなの成育状況に問題はない。順調に育てば8月上旬には巣立つという。

 営巣したのは京都府京丹後市生まれの3歳雄と、鳥取市生まれの4歳雌のつがいで、4月上旬に住民からの連絡を受けて町が巣を確認した。5月27日から連日食べたものを吐き戻してひなに与える行動が見られた。このペアは今春、鳥取市国府町内で営巣したが巣が撤去され、八頭町内に移動した。

 兵庫県立コウノトリの郷公園(兵庫県豊岡市)の職員が作業を担当し、親鳥が巣を離れた隙に高所作業車で高さ約20メートルの照明塔から3羽を下ろし、成長具合や健康状態を念入りに調べた。手早く足環を装着し、DNAや感染症の有無を検査する羽毛やふんを採取して巣に戻した。約30分後、親鳥が巣に戻って世話を再開した。ひなはいずれも順調に成長しており、体長81~83センチ、体重は3・8~4・1キロだった。

 同公園の布野隆之主任研究員は、精密検査は後日になるとした上で「餌となる水生生物も豊富で子育てに適している環境」と評価。作業を見守った町社会教育課の秋山穂高主任は「生物多様性のバロメーターになる。無事に巣立つように町をあげて見守りたい」と話した。

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