「1%の可能性」を信じ抜いて達成した2連覇【五輪コラム】

大逆転をやってのけた堀米には、信じ続ける根拠があった

 最終7回目の試技で最も難しい持ち技を成功させ、鮮やかな逆転勝利。スケートボード男子ストリートは堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が土壇場で驚異的な技巧と精神力を発揮して五輪2連覇を遂げた。今大会に向け25歳の堀米は、日本代表の座をかけた争いでずっと14歳の小野寺吟雲ら新鋭の後塵を拝した。本番は米国勢に先行され、見る見る差を広げられた。絶望的な逆境を乗り越え続けて到達した頂。試合後は「自分を信じ続けることができたことがうれしい」と実感を込めた。信じ続ける根拠があったからこそなし得た逆転劇だった。(共同通信=戸部丈嗣)

 ▽可能性を信じ、勘を信じて決めた大技

 最後の試技を残して7位。息詰まる展開で、堀米はそれまで3回続けて失敗していたトリック(技)に再度挑んだ。首位に立つために必要だった96・99点以上のハイスコアが確実に出せるであろう唯一の持ち技だったからだ。「ノーリー・バックサイド270テールブラントスライド」。慣性の法則に逆らうように後ろ足で板を蹴って跳び上がり、板ごと4分の3回転してから板先端の反り返っている部分だけでレール(手すり)に着地する大技だ。回り始めると、レール...

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