受け継ぐ戦争の記憶(5)戦争遺品 薄れゆく記憶に焦り 戦禍生々しく伝える資料

  • 2022年の特別展で展示された県立博物館所蔵の戦争遺品の一部(同館提供)

 戦争体験者の高齢化により、実際の証言など戦禍を訴える人の記憶に触れることが難しくなっている。家庭内で保管されてきた「千人針」や「出征旗」などの戦争遺品もまた、戦禍を物語る貴重な資料だが、戦争を知らない世代へと受け継がれるたびに、遺品の由来や背景など、後世へ伝えるべき「物の記憶」を失いつつある。

 7月末、インターネットのオークションサイトに出品されていた千人針に目が留まった。赤い糸の玉留めで描かれた「武運長久」の文字の下に「愛国婦人会鳥取支部 分会」の文字が薄く読み取れた。発送地は鳥取県。県内からの出品と推測される。6日間で3人が11件の入札を繰り返し、千人針は6782円で落札された。

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