潮騒 2023.5.12

 今週末14日は母の日。コロナ禍が一段落し初の大規模なイベントへの期待感は増すが、3年余のコロナ封鎖期間に子ども側の意識は様変わりした◆百貨店などで自分の目で直接品物を確かめて買い求め、持参し実家を訪れ手渡しのスタイルから、約半数がスマホで品選びから宅配手配まで万事手軽に。かつては「手抜き」と言われたが、コロナの最中から常識としてすっかり定着した◆贈る子ども側が選ぶ、花・観葉植物をはじめ、食品・グルメ、スイーツの3大定番品は状況が変わっても依然人気。逆に母の側は「子どもの気持ちが伝われば、品物は何でもよい」というから情愛は深く広い◆元々は米国の南北戦争をきっかけに生まれ、同国で定着したのは20世紀初頭。日本では戦前の「母の日」は別日程だったが、戦後は米国に合わせ5月第2日曜となった◆母が存命なら赤いカーネーション、亡くなっていたら白色。「親孝行、したい時には、親はなし」と言う。贈ることができる幸せを意識しながらスマホを手に取って、今からでも遅くないからギフト選びしてみよう。一方で贈られた幸せを感じたら、スマホで「元気?」とお礼の電話を1本。ポスト・コロナの新たなコミュニケーションシーンがそこから生まれる。(畑)

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