【東京ウオッチ】希望と再生の糸を紡いだ芸術家の生涯―森美術館でルイーズ・ブルジョワ展

いまのTokyoをつかむイベント情報(12日~20日)

  •  ルイーズ・ブルジョワ「ママン」(1999/2002年 ブロンズ、ステンレス、大理石 9.27×8.91×10.23m 所蔵:森ビル株式会社〈東京〉)(提供写真)
  •  ルイーズ・ブルジョワ「トピアリー☆(ローマ数字4)」(1999年 鋼、布、ビーズ、木 68.6×53.3×43.2cm 撮影:Christopher Burke (C)The Easton Foundation/Licensed by JASPAR,Tokyo,and VAGA at Artists Rights Society〈ARS〉,New York)(提供写真)
  •  「トッズ ディーアイ バッグ フォリオ」のスモールサイズ(提供写真)
  •  「ペリエ ジュエ ベル エポック 2015」とトム・エイキンズさんが考えたスナックメニュー(提供写真)
  •  金台エナメル仕上げ風景模様嗅ぎたばこ入れ(フランス 19世紀)(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【12日(土)】

 ▽「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」(~25年1月19日、港区・森美術館)

 六本木ヒルズの敷地内に、2003年春の開業以来、高さ10メートル超の巨大なクモの彫刻がそびえ立っている。やや不穏なイメージも醸し出す造形物の名は「ママン」(母)。その意味を解き明かす大規模な展覧会が、同ヒルズ森タワーで開催中だ。

 彫刻の作者は20世紀の世界的芸術家、ルイーズ・ブルジョワ。パリに生まれ、米ニューヨークで2010年に98歳で没した後も「世界中の主要な美術館で個展が次々開催され、評価は高まり続けている」と森美術館の片岡真実館長は語る。

 少女時代から支配的な父との関係に苦しみ、ヤングケアラーとして介護していた病気の母を早くに亡くした。彼女のアートは、複雑な家族関係や終生抱えたトラウマを乗り越え、作品に昇華してゆく営みだった。

 布や木枠、ブロンズ、大理石など多様な素材を駆使した。ジェンダーやセクシュアリティーを主題にした絵画「ファム・メゾン(女・家)」、彫刻「カップル」の各シリーズや、肉親への愛憎をオブジェ化した...

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