今年5月に北栄町妻波の特別高圧線鉄塔上の巣から保護され、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市祥雲寺)で卵からふ化して大きくなったコウノトリの幼鳥2羽が10月10日、同町大島の田んぼで放鳥された。コウノトリは箱の扉が開くとすぐに外に出て、空を飛んだり田んぼを歩いたりして半年ぶりの“里帰り”を果たした。
放鳥されたのは、雄と雌の計2羽。卵は同公園内のコウノトリのペアに托卵(たくらん)され、5月29日にふ化、7月19日に巣立った。2羽は順調に生育し現在、雄は全長117センチ、体重5・8キロ、雌は全長113センチ、体重4・9キロにまで成長した。
この日は、近くの大誠こども園の年長児27人や地域住民らが集まり、コウノトリの放鳥を見守った。2羽はすぐに箱から出て、周囲を飛び回ったり、田んぼを散策したりして“生まれ故郷”を懐かしんだ。同町の住民見守りグループ「比山コウノトリの会」の宮川美貴子さん(77)は「北栄町に帰ってきてくれてうれしい。元気にすくすく育ってほしい」と喜んだ。
同公園によると、コウノトリは8月31日現在、国内で470羽が確認されているという。