南部町大木屋に開設された衆院選挙の期日前投票所で16日、国政選挙では全国初とみられる投票所の「オンライン立ち会い」が行われた。同町が初導入した通信機能を備えたコネクテッドカーに投票箱を載せて出向く「移動期日前投票所」で午前10時から2時間実施された。
オンライン立ち会いは、投票所に最低2人必要な立会人の役割をカメラやパソコンを使って遠隔地で担う。7月の江府町長選で初めて実施され、県内では2例目。
この日は、投票所が開設された大木屋公民館と約12キロ離れた町役場法勝寺庁舎をつないで実施。現地立会人1人と、町役場のオンライン立会人1人がそれぞれ投票の様子を監視した。
オンライン立会人を務めた団体職員の黒木美由紀さん(67)=同町東町=は「会場での立ち会いよりもリラックスしてできたし、画面越しでも投票の様子がクリアに見えた」と話した。投票した無職の西村卒子さん(85)=同町大木屋=は「普段と変わらずに投票できた。投票所が近くに来てもらえると便利で助かる」と話した。
町選管の田村誠事務局長は「移動期日前投票所とオンライン立ち会いを組み合わせることで、住民の投票機会の拡充、確保につなげられると感じた」と手応えを得た。