鳥取の集落取材英国詩人作品に 鳥の劇場が詩集出版 市内図書館に贈呈

 イギリス・スコットランドの詩人、トム・ポウさんが鳥取市などの中山間地域の人や伝統文化を取材し、創作した詩集「遊ぶ亡霊たち-日本の村からの詩-」が完成し、トムさんと親交があった同市鹿野町の認定NPO法人「鳥の劇場」が英語詩に日本語訳を付けて出版した。10月30日、同市富安2丁目の市立中央図書館で贈呈式を行った。

 20年近くヨーロッパのさまざまな過疎の村を訪ね、消えゆくコミュニティーや人々の暮らしなどを見つめてきたトムさん。昨年9月、鳥の演劇祭に招待され、トムさんの作品を基に制作された芝居を上演。来日を機に同市鹿野町、同市佐治町、同市用瀬町と岩美町の過疎集落を訪ね、鳥取の歴史や現在の集落の様子などを2カ年にわたって取材し「56年組の親たち」「川」など20編の詩にまとめた。

 詩集は鳥取市の助成を受けて作製。市内の図書館・図書室3館6室に置く。贈呈式では中島諒人代表理事が「世界でも日本の地方でも過疎は共通の問題。自分たちの地域の誇りをあらためて見直すことで過疎を乗り越えていくことにつながるかもしれない」と出版の経緯を説明。同図書館の長本次郎館長は「鳥取の良さを再認識してもらうため、多くの人に手に取ってもらいたい」と述べた。(石原美樹)

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