繭の糸のように細く長く 合唱団まゆ50周年 思い込め練習に熱 10日、淀江で記念演奏会

 地域で歌い続けて半世紀-。大山町中山地区で活動する「合唱団まゆ」(石谷美智子団長)が創立50周年を迎えた。10日に記念演奏会が米子市淀江文化センターで開かれ、団員らが思いを込めて歌を披露する。

 1974(昭和49)年に旧中山町青年団が結成した合唱団が始まり。現在は大山町だけでなく米子市や琴浦町からも団員が集まり、20~70代の男女33人が所属する。

 毎週金曜夜に大山町中山農村環境改善センターで練習を行い、年1回の定期演奏会をはじめ鳥取県や町の行事への出演、福祉施設や学校訪問で歌を披露。同町の姉妹都市・米カリフォルニア州テメキュラ市でも公演し、同市の学生を迎えて演奏会を行うなど国際交流にも力を入れてきた。コロナ禍でも感染対策を工夫して活動を続けた。

 記念演奏会では、混声合唱組曲「水のいのち」や地震被災地への思いを込めた曲「群青」、山陰出身の人気バンドの曲「Chessboard」などを合唱し、ゲストらがソプラノ・テノールの独唱やオカリナ演奏も披露する。本番を前に1日夜には団員らが練習に励み、「もう少しドラマチックに」などと指示が飛ぶ中で主要なフレーズを繰り返し熱唱した。

 団員の田中信之さん(72)は創立時から共に活動した団員仲間が先月亡くなったことをしのび、譜面に写真を入れて本番に臨む。「練習で仲間に会ってコーラスを合わせる感覚が忘れられずに、ずっと続けてきた」と振り返る。指揮者の福永博昭さん(75)は、合唱団名には繭の糸のように細く長く活動をつなぐ思いが込められているとし、「今後も繭のように活動を続けていければ」と語った。

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