潮騒 2023.5.18

 手軽に地引き網ができると聞きつけて、泉南市の漁港に行ってきた。一日中悪天候だったが、高架下で多少の雨はしのげた◆魚介類が豊富に捕れた大阪湾はかつて、「魚(な)の庭(にわ)」と称されたという。それが現在も親しまれる大阪の異称「なにわ」の語源とされる説もある。その魚庭で、さてどんな魚がお目見えするのか◆漁師さんが2隻の船で地引き網をおろし、その網を岸からみんなでかけ声に合わせて引っ張り上げる。なかなかに長く、重たかった。そして捕れた魚はその場で巨大な水槽に放たれ、観察タイム◆シロザメやアカエイ、ヒラメ、マダイ、クロダイ、マダコ、カワハギなど予想をはるかに超える大漁に、大興奮の子どもたち。そのそばで、「漁師さんも気を遣ってくれたんだろうな」と独りごちた。やはり、子どもたちをがっかりさせないよう事前に捕った魚も追加してくれているそうだ◆お土産は捕れた魚丸ごと数匹、もしくは加工済みの干物数切れのいずれか選べた。何が入っているかは帰ってのお楽しみ。さて、子どもと一緒に自宅でさばいて食べてこそ生き物の命を頂くことをより実感できるだろうと思ったものの、もしマダコが入っていたら…とひるんだ。干物だって格別においしかったもーん。(斎)

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