【わが師円楽 三遊亭楽生#5】楽屋の使い方で感謝伝える 芸人のあり方、厳しい教え

  •  三遊亭円楽=2018年5月、東京都内
  • 三遊亭楽生
  • わが師円楽9回続きの(5)

 師匠三遊亭楽太郎(後の六代目円楽)の教えは厳しかった。(9回連載の第5回)

   ×   ×

 師匠の小言には2種類ありました。着物の畳み方、テーブルの拭き方、洗い物や掃除といった具体的なことと、芸人としてのあり方について。特に大事にしなければいけないのは後者。中でもよく言われたのが「芸人はきれいでなきゃいけない」。今でも大切にしている言葉です。 

 仕事のときもお付きだけのときも、ワタクシは必ずスーツを着ていました。きちんとネクタイを締めて。高いスーツの必要はない。でもヨレヨレではいけない。今でも外に出るときはほとんどワイシャツ、ネクタイ、ジャケットですね。夏はワイシャツだけですが。

 「はなし家の楽屋はきれいなんだ」。楽屋の使い方にも厳しかった。大切に使うことはもちろん、ポイントは帰るとき。飲んだ物がそのままになっていたら大小言です。

 湯飲み、おしぼりなどはテーブルの隅にまとめておく。なぜか。後で片付けてくださるスタッフさんへのメッセージだと。感謝の気持ちを実際に会わなくても伝えることができる。

 座布団は隅に重ねる。ハンガーは左右どちらかに寄せる。傘立てなどがずれていたら、われわれが使っ...

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