大学入試の「女子枠」

  •  尾木直樹
  •  大学入学共通テストに臨む受験生=2025年1月18日、東京都文京区の東大
  •  24年10月1日に東京工業大と東京医科歯科大が統合し東京科学大が発足。銘板の除幕式で大竹尚登理事長(右)と田中雄二郎学長=東京都目黒区
  •  女子枠拡大のきっかけとなる提言をまとめた政府の教育未来創造会議。あいさつする岸田文雄首相(当時、右から2人目)=22年5月10日、首相官邸
  •  教育未来創造会議の提言ポイント

 年が明け、大学入学共通テストも実施され、いよいよ今春入学者への大学入試(2025年度入試)シーズン本番です。ここ数年、国公立・私立を問わず、理工系などの学部においては、女性限定の「女子枠」を設定する大学が増えています。

 ▽理系女子を増やす秘策

 大学入試における「女子枠」は、これまでも名古屋工業大(国立)や芝浦工業大などが設けてきましたが、この数年で導入する大学が増加しています。女子学生の割合が高くなることで、学部のジェンダーバランスを改善し、学生の多様性を促進する効果が期待されています。

 公益財団法人の調査などによると、24年度入試で「女子枠」制度を利用した大学・学部は、少なくとも40校に及んでいるそうです。

 例えば、学部の女子学生の比率が13%(22年5月時点)と低かった旧東京工業大(24年10月に東京医科歯科大と統合され「東京科学大」に)は、24年度入試から「女子枠」を導入しました。

 理工学系の全6学院(学部に相当)のうち4学院で計58人を募集し、志願倍率1・9~6・9倍で56人が合格。その結果、一般選抜も含めた入学者全体に占める女性比率は10・7%から15・3%に上昇しました。...

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