ギター・ボーカルの伊東妙子とベースの篠田智仁からなるデュオ「T字路s」が、結成15周年でメジャーデビューを果たした。ライブでファンにデビューを報告した伊東は「自分たちが一番驚いた」と、晴れやかな笑顔を見せた。
2024年10月からの全国ツアーで約30カ所のライブハウスを回ってきた。最終盤となる東京公演は、メジャーデビュー曲「美しき人」の発売直後というタイミング。赤いワンピースにトレードマークのベレー帽を斜めにかぶった伊東は、この日も太くしわがれた迫力ある声でファンを魅了した。
前半はカバー曲で構成。八代亜紀「舟唄」や森進一「襟裳岬」などを、本家をしのぐ勢いのハスキーボイスで歌いきる。
後半はブルースやフォーク、ロックンロールが混ざり合い、泥臭さを存分に味わえるオリジナル曲を披露。「三度の飯より夢中さ」と歌う代表曲「これさえあれば」には生きる喜びと悲しみ、おかしみが交錯し、伊東の歌声に説得力が宿る。
お笑い芸人の千原ジュニアをはじめ、ファンを公言する著名人も多い。ライブの終盤、伊東は「思えば手こぎボートでのんびりと釣り糸を垂らすような15年でした」と振り返ると「これからは最新の大型漁船...