海外でも活躍する切り絵画家、久保修(しゅう)さん(71)が手がける豊中市の「切り絵ミュージアム」がリニューアルオープンした。切り絵の魅力を身近に感じられる施設で、来館者が技法を体感し、文化交流できる拠点を新たに設けたのが最大の特長だ。
久保さんは山口県出身。大阪で建築を学んだが、大学在学中に切り絵と出合ったことから作家へ転じた。スペイン留学を経て、文化庁の「文化交流使」に指名されるなど国内外で作品が知られている。
開館は2018年。新設スペースでは、初心者に向けた体験コースのほか、「本格的に学びたい」という人には、下絵や塗料の技法などを久保さん自身から学べる機会もある。
展示室には、二十四節気とそれをさらに細かく分けた七十二候に応じた四季の移ろいを植物や旬の食材で表現し、5年がかりで完成させた長さ10メートルの大作を常設。他にも約30点が絵画的で生命力にあふれる世界観を紹介している。
再開館した6日は、朝から続々とファンや住民らが詰めかけ、出迎えた久保さんへ祝意を伝えた。久保さんは「多くの人に切り絵を体験し、楽しんでほしい。いろいろなことを語り合えるサロンのような存在になれば」と展望している。
午前10時半から午後4時。入館料は一般500円など。