釣り師というのは、新年早々に来た年賀状ですら釣行の動機にしてしまう。
釣り師から来た年賀状には、裏面のパターンが三つある。①釣った(自慢の)魚と自分がいっしょに写っている写真が添えられているもの②釣り場の風景の写真が添えられているもの③釣りには関係ない一般的なもの-と、見事に3分類される。
普通、懐かしい友人から来た年賀状を見て、電話で消息を尋ねることはけっして珍しいことではない。しかし、これが釣友からきたものならその内容は滑稽だ。
「元気か?」とは聞かずに、「最近釣りに行っているか?」「釣果の具合はどうか?」「今どこが釣れているか?」と、釣りの話ばかり。
釣行のスイッチ
20年ほど前になろうか、年賀状に添えられているグレの大きさに思わず釣友に電話をかけた。
「もうグレが湧いとるで。クーラー2杯は確実!」などと聞いて、初釣りを即敢行。結果は無残なものだったが、とにかく、家人にもあきれられている「狂」のつく釣り師には年賀状でさえ釣行のスイッチが入る。
年頭にあたり、この素晴らしい趣味に出会えたことを感謝しつつ、読者の釣運をお祈りする。